メタ認知能力(Metacognitive Ability)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ビジネスで成功を収めている人や勉強がよくできる人には、このメタ認知能力が備わっているといいます。

この能力を鍛えると、自分をより深く知ることができるようになったり、人間関係がよくなったり、仕事や作業をこなす能力が高まります。

当記事では、メタ認知とはどういったことを指すのか、なぜビジネスにこの能力が必要なのか、そしてメタ認知能力の高め方をご紹介します。

 

メタ認知能力とは

メタ認知能力とは、自分自身を一段高いところから俯瞰することで、自分の思考や行動などを客観的対象として把握し認識する能力のことを指します。

『認知』とは、どのように世界を見てどう考えどう行動するのかということ。
つまり、『知覚→思考→行動』の一連の意識活動です。

そして、自分の『認知』を対象化して認識することが『メタ認知』。
認知していることを認知している、という状態のことです。

 

・・・もっと分かりやすくいいますね^^

 

メタ認知の『メタ(meta)』という単語は、『高次な』とか『超○○』という意味を持つ接頭辞で『一つ高い次元からの』と直訳します。

よく、漫画とかアニメの中で、登場人物がいきなり作中の世界から飛び出したような発言をしている描写がありますが、これらは『メタ発言』とか呼ばれていたりしてますね。

3981_2出展:『ドラゴンボール』36巻

 

本来なら、この物語の登場人物であるグレートサイヤマン(孫悟飯)は、ストーリーの世界の中のことしか関知し得ないはずですが、『次ページで教えてやる』というように、読み手を意識した発言をしています。

『次ページのあるorない』を認識しているということは、漫画の中の次元より上の領域、つまり作者と読者が存在している現実世界から見てるということになり、これはメタな発言になるのです。

 

また、こんなこともメタな例です。

あなたの友達が突然めっちゃしょーもないギャグをぬかして喜んでいるとき、ギャグ自体はちっとも笑えないけど、つまらないことを言ってキャッキャ喜んでいる友達の様子が可笑しくてつい笑ってしまったw とか。

あなたはその友達の様子を俯瞰することでそこに面白さを見いだしている、つまりこれはメタ的に面白かったと言えるでしょう。

 

『メタ認知』というのは上の次元の視点から物事を認識したり思考したりすることを指します。

 

ここで重要なのは、『自分自身を』メタ認知する能力です。
つまり、もう一人の自分が自分を客観的に眺め、他人から映る自分像を把握することができるかどうかということ。

 

例えば、『何かに対して我を忘れるほど怒っている』時というのはメタ認知できてない状態で、怒りながらも心の中の別の自分が『どうしてこんなに自分は怒っているのだろう』と冷静に分析していたらこれはメタ認知ができている状態。

このように『メタ認知』は、自分自身をモニタリングすることなのです。

 

メタ認知力の低い人の特徴

メタ認知能力の低い人の特徴は次のとおり。

  • 自分が他人からどう見られているかを理解できていない
  • 自分が感じていることを他人も同じように感じているだろうと考えている
  • 自分の正当性を全く疑わない

あなたの周りにいる『KYな人』を想像してみると分かりやすいですね。

他者との認識のズレを理解しておらず自分が正しいと思い込んでいるので、周囲がドン引きしているにも関わらず、『いいこと言ったな』とか『面白いこと言えたな』とか満足している可能性があります・・・

世の中にはいろいろな考えの人がいることを理解できておらず、相手の心情や事情を考慮した発言ができないので、若干疎ましく思われがちに。
しかし、それすら本人は気づいていません。
自分の正当性と表面的なところのみで判断しているので、むしろ好かれていると思い込んでいる可能性もあります。

メタ認知能力が高い人とは

逆にメタ認知能力が高い人とはこのような人です。

  • 常に自分を客観的に見ることができる(セルフモニタリング)
  • 自分の失敗を振り返り反省と改善を実践できる
  • 相手への気配りができ適度な距離感を保ちながら付き合える

 

自分の思考や行動を客体化するということは、自分をあたかも他人のように観察し分析するということです。

この能力が高い人は、自分の立場や今までの知識、その場の感情に振り回された認知や判断をしていないかということを検討する能力にすぐれています。

 

  • 自分にとってはイケてるファッションだけど、他人がみたらダサイかもしれない
  • 自分は美味しいと思ってるけど、相手にとったら苦手な味かもしれない
  • 自分にとっては心地いい音楽だけど、相手は耳触りな雑音にしか聞こえないかもしれない
  • 自分はこれが常識だと思っているけど、相手には違う常識があるのかもしれない

など、他人にとってそれがどうかという『想像力』を働かせることができます。
言い換えると、他人に対して『気づき』が多い人といえるので、必然と好かれる人が多いです。

メタ認知能力がネットビジネスに必要な理由

自分を高める必要があることへの『気づき』

メタ認知力を高めると、自分の能力を見極め、自分の足りないところや弱点を理解することができます。

人は自分の欠点を知ることを恐れ、そこから目をそむけてみたり、また弱点を理解していても冷静に分析できなかったりすることがあります。
しかし、自分がさらに成長していくためには、どこに自分の限界点があるのかを知らなければなりません。

また、ビジネスで成果を出していくには、成功までに今の自分に何が足りないかを正確に知る必要もあります。

よく勉強のできない子に、何が分からないのかを聞くと『何が分からないのかが分かりません!』という答えが返ってきたりしますよね。

反対に、なぜメタ認知力が高い人成功を収めやすいのかというと、自分を磨き高める必要があるのだという『気づき』が多く、不足部分を把握する力に長けているからですね。

言語能力の向上

メタ認知力と言語能力との関連性は深く、メタ認知能力が高まると必然と言葉を使って思考しそれを正確に伝達する能力が備わるようです。

その証拠に、言語能力がまだ発達していない乳幼児は自分を俯瞰する能力が備わっていないですよね。
(赤ちゃんがミルクを飲みながら『ボクは今ミルクを飲んでいるけどそれは歯が生え揃っていないからでちゅー』と分析していたらコワイですw)

コンテンツビジネスにおいては、基本『文章』を使って情報を発信します。
ですので、高いレベルで言語運用能力を持っているに越したことはありません。

メタ認知力を高めるということは、つまりネットビジネスに必須の言語能力を高めるということに繋がります。

コミュニケーション力

コミュニケーション力というのは、一言でいうと、自分と他者のやり取りの中で、言葉自体や非言語的なもの(表情、仕草、空気感etc)も含めて、相手の意思を理解し、かつ自分の意思も伝える能力のこと。

ネットビジネスにおいては、基本文章を使って他人とやり取りをするので、非言語的なものを使ってコミュニケーションを行える機会は少ないかもしれません。

ですので、言語的コミュニケーションスキルが高いレベルで必要になり、これを駆使してお客さんの心を動かしたり、お客さんの要望を正確に知る必要があります。

メタ認知能力が高いと、他者にとって自分の言葉がどう伝わるのか、どのように影響を及ぼすのかという『想像力』をもって相手との相互理解をデザインすることができるので、ビジネスを円滑かつ効率的に動かしていけるのです。

 

メタ認知能力を高める方法

思考を文章や図式化する

自分が考えていることを文章や図で書きだしてみることでメタ認知能力をつけることができます。
なぜなら、頭の中にある形のない『思考』を書き出すと、それらが目に見えるものとして対象化され、客観的に眺めることができるからです。

『書く』という行為の中で、情報が整理され物事を分析しやすくなります。

  • マインドマップを作成したりブレインダンプを行う
  • 日記を書く

つまり、書き出してみることは客観的に自分の思考の流れや行動パターンを理解するセルフモニタリングには格好の方法なのです。

ブログ記事を書くことも、他人からどう読まれるか?という視点を持って書くことで、これも一つのセルフモニタリングのトレーニングになるかもしれません。

ただし、SNSでの文章化は、他人にアピールするという性質上メタ認知力を鍛えるツールとしてはあまり適切ではないとされています。

知識を身につける

知識のインプット量を多くすることもメタ認知能力を高める良い方法とされています。
なぜなら、知識が多いとそれだけ視野が広くなり、対象の分析をする際にも判断材料が多くなるからです。

客観的思考の引き出しは多いに越したことはありませんね。

また、メタ認知が低い人は難しい本が嫌いという特徴があります。

本が難しく感じるのは、そこに書かれている具体的なことが自分の知識や体験に及ばないことだったり、抽象的な思考ができなかったりするからです。
がんばって難しい(と感じる)本を読むことも、抽象的な想像力を高めるトレーニングになるので、ぜひ投げ出さずに本を読む習慣をつけていくといいですね。

 

自分の考えや行動を振り返る

自分の主張や意見について、『どうしてそういう考えになったのか』とそういう思考に至ったフローを分析したり、自分が何か行った行動について、『なぜこういった行動をしてこういう結果になったのか』と振り返ることも重要です。

いわゆるPDCAサイクルの『C』の部分ですね。

前述した『日記を書く』ということも、結局は毎日の自分の考えと行動を振り返ることと同じことですが、これによって、

  • 自分が知っていることと知らないこと
  • 自分が得意なことと苦手なこと
  • 自分がしたいこととしたくないこと
  • 自分ができることとできないこと

の境界が明確になっていきます。

つまり、『自分のことをより深く認識する→メタ認知能力アップ』ということになるのです。

他人の意見を聞く

メタ認知力の高い人は概して聞き上手ですね。

他人の意見を聞くことが大切なのは、自分の考えが唯一無二の正解をもったものではないことが分かるからです。
人の数だけ考えの数があり、どれもその立場で間違ってはいないということ。

真実は一つだったとしても、表側から見るのと裏側から見るのでは見え方が違うことがありますよね。

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同じものを見ても自分の立場からは『白』に見えても、相手の立場からは『黒』に見えることがあるのだということが分かります。

他人の意見に耳を傾けることは、まさにこの構図を上から俯瞰して見てみるということと同じです。
こうすることで、『真実』の姿が明らかになり正確に物事を捉えることができるようになるのです。

まとめ

メタ認知能力は、生まれ持った才能ではなくトレーニングすることで後天的に身につけることのできる『スキル』です。

いつのまにか自分の考え方が凝り固まっている、ワンパターンになっているのに気がつくことは大変なことかもしれません。

しかし、一度自分を高いところから観察するようにしてみてください。

自分を他人のように冷静に客観的に分析すると、自分が気付いていなかった自分のことを知ることができるでしょう。

その時きっと、あなたはまた一つ大きく成長することができるはずです。